結婚LABO(ラボ)他人に聞けない結婚式の悩みにプランナーの本音トーク続々! プロフェッショナルガイド

Question 今回のお悩み

ウエディングプランナー 梶杏奈さんのアドバイス ウエディングプランナー
梶杏奈さんのアドバイス

Answer

新郎新婦さまとお話ししていると、ほとんどの方がこうおっしゃいます。
「親には(お金で)頼りたくないんですよね」
経済的にも自立した大人なのだから、お金の心配をかけたくない気持ちはわかるのですが、
「そこはありがたく受け取りましょうよ」
と、私は必ずアドバイスします。
なぜなら、親御さまのお金は、おふたりへの結婚祝いだから。
なのに、かたくなに受け取ってもらえなかったり、返さなくていいと言ったのに返されたりすると、お祝いの気持ちを押し返されたようで寂しい。それが「親」というものです。

おふたりが返さないといけないのは、お金ではなく、感謝なのですよ。
「ありがとう」と言葉で伝えるだけではなく、次のように、行動で示してみませんか?

結婚式までは、家族に思い出のプレゼントを


たとえば、最後の家族旅行。
旅先で美味しいものを食べる。素晴らしい景色を見て感動をシェアする。温泉にゆっくりつかって癒される。そんな家族水入らずの時間は、親御さまにとって最高の思い出になることでしょう。
結婚式の前日は、家族団らんを。
特別なことはしなくていいのです。お母さまが作ってくださった手料理を味わって、ただ、家族と一緒に過ごしてください。独身最後の日の家族団らんだからこそ意味があります。

結婚式では、親御さまへの思いやりを


結婚式当日は、感謝を伝えるチャンスがたくさんあります。 まず、親御さまのお席には、心を込めて書いたメッセージカードを置いておきましょう。もしも、お母さまが「フランス料理って緊張するわ」とおっしゃっていたなら、お母さまのテーブルにお箸のご用意を。 ケーキカットの後は、ぜひ、ラストバイトを。独身最後のひと口を親御さまに食べさせてもらうラストバイトは、親御さまが主役になれると同時に、「これから、お母さんのように美味しいご飯を作れるようにがんばります」というメッセージが伝えられます。 お色直しの退場で、新婦さまがお母さまと一緒に歩く姿を見たことはありませんか?
定番ではありますが、ぜひやってください。
久しぶりにつないだ、お母さまの手。
「昔はよくこうやって、手をつないで買い物に連れていってもらったな」
「あの頃はお母さん、背が高いと思ってたのに、今は私のほうが高いんだ・・・」
いろんな思いが胸に迫り、親子の絆をあらためて感じるひとときです。それは、お母さまにとっても同じことなのですよ。
そして、親御さまへの記念品は、おふたりの感謝が伝わるひと品を選びましょう。
たとえば、「三連時計」という3つで1つにつながる時計なら、離れて暮らしていても同じ時間を刻んで行きましょう、という思いが伝わりますよ。

結婚式のあとは、節目節目に感謝を


父の日、母の日、親御さまの誕生日など、その都度プレゼントを贈りましょう。
また、あなたの誕生日も、親御さまに感謝を伝える絶好のチャンスです。
「生んでくれてありがとう」と、元気な声を親御さまに毎年聞かせてあげてください。
こうやって、節目節目に感謝を伝えることは、親御さまとのつながりを感じられるだけではなく、おふたり自身のためにもなります。なぜなら、親御さまは夫婦としての先輩。見習うべきところが多く、また、見守られている安心感も得られるはずです。 いかがでしたか? お金ではなく、感謝で返す意義をお伝えしましたが、こう思う方もいらっしゃるでしょう。
「やっぱり、お金は返したい。いくら返せばいいの?」
それなら、半額程度がいいかと思います。日本には「半返し」という、お祝いの金額の半分を返す文化があるからです。これなら親御さまも受け取ってくださるのでは。
でも、これだけは忘れないでください。 今はお金でなんでも買える時代ですが、感謝と親孝行は、いくらお金を出しても買うことができません。だからこそ価値があります。しかも、この広い世の中で唯一、あなただけしか返すことのできない感謝なんですよ。

梶杏奈

梶 杏奈Kaji Anna

神戸の大学に在学中、卒業生のチャペル挙式を数多くプロデュースし、東日本大震災後、被災地のカップルに神戸での結婚式をプレゼントするイベントを主催。その時、「これからも私たちのように、多くのカップルを幸せに導いてくださいね」と言われたことが心に響き2013年、バリューマネジメント社に新卒入社。神戸、滋賀の会場を経験して現在、ザ・スイート銀座のチーフプランナーとして活躍中。目標は「結婚式がしたい」と思う人を増やすこと。
バリューマネジメントグループ