独身時代には知らなかった昔からの風習や年中行事の由来、知っておくべき暮らしのマナーまで、心も生活も豊かになる情報をたっぷりと紹介。生活の知恵や社会のルールを身につけて、結婚して少しずつ成長していくふたりの姿を両親に見せてあげよう。
冠婚葬祭に出席するときの服装やお金のことなど、社会のルールを身につけておけば、どんなときも安心。ただ、実際のシーンでは周りの人の考えや地域独自のしきたりなどに戸惑うことが出てくるかも。基本のマナーだけではカバーできないこともいろいろとあるので、よくわからないときは、親や先輩などの意見も参考にして。
■結婚をお祝いするとき
●結婚式に出席するときの服装
- 【女性の洋装】
- 上品で華やかなスーツ、ワンピースやアンサンブルなど、晴れの日にふさわしい明るい印象の装いを。フォーマルスーツを着用するときは、黒一色にならないように注意。アクセサリーや靴、ヘアスタイルやメイクなどに工夫を凝らして、女性らしいエレガントなスタイルを。また、ウエディングドレスを思わせる白一色のコーディネートや派手すぎる服装、場違いな高級品など、花嫁よりも目立つファッションは避けるべき。
- 【女性の和装】
- 招待客の場合は、新郎新婦や両家の親族よりも格を下げた着物(訪問着や色留袖)を選ぶ。訪問着は未婚・既婚を問わずOK。振袖は未婚女性のみ。一方、親族側として披露宴に出席するときや媒酌人を引き受けたときの和装は、黒留袖に金銀の小物を合わせるなど、格調高い装いがふさわしい。
- 【男性の服装】
- ドレスコードや披露宴の格にあわせた装いをするのが基本。フォーマルスーツならどんなシーンにも対応できて◎。私服のスーツで出席するときは、ビジネス風にならないように、ポケットチーフやタイを組み合わせてフォーマル感を演出して。
- 【子供の服装】
- 子供の礼装にあたる学生服のほか、礼儀正しい印象の私服でもOK。男の子の私服はジャケットやブレザーなどの上着にズボン、女の子はワンピースやツーピースで可愛くドレスアップしよう。
■結婚祝いの相場はいくら?
●披露宴に出席するとき
贈り先 | 30代 | 40代 | 50代~ | 夫婦で出席する場合 |
---|---|---|---|---|
全体 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 5万円~10万円 |
勤務先の同僚 | 2万円~3万円 | 3万円 | 3万円 | 5万円 |
勤務先の部下 | 3万円 | 3万円・5万円 | 3万円・5万円 | 5万円~10万円 |
取引先 | 2万円~3万円 | 3万円 | 3万円・5万円 | 5万円~10万円 |
兄妹姉妹 | 10万円 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
おい、めい | 5万円 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
いとこ | 3万円 | 3万円・5万円 | 3万円・5万円 | 5万円 |
友人、知人 | 2万円~3万円 | 3万円 | 3万円 | 5万円 |
●披露宴に出席しないとき
贈り先 | 30代 | 40代 | 50代~ |
---|---|---|---|
全体 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
勤務先の同僚 | 5000円 | 5000円 | 5000円 |
勤務先の部下 | 5000円 | 5000円 | 5000円~1万円 |
おい、めい | 1万円~2万円 | 1万円~2万円 | 1万円~2万円 |
いとこ | 2万円~3万円 | 2万円~3万円 | 2万円~3万円 |
友人、知人 | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 1万円~2万円 |
- ※冠婚葬祭において、「4、6、9」は縁起の悪い数字なので避ける。それ以外の奇数の数字が好まれるものの、10万円や2万円は気にせず使ってもOK。
- ※贈る相手との関係や地域によって相場は異なるので、あくまで目安と考えて。
■祝儀袋の選び方、書き方、包み方
-
祝儀袋の表書き
表書きを入れるときは、毛筆か筆ペン、太めのフエルトペンなどを使って、丁寧に書く。水引の上中央には、お祝いを表す言葉(「寿」、「御結婚御祝」など)を、水引の下中央には自分の名前をフルネームで記入する。氏名の文字は、水引の上の文字よりも少し小さめに。
-
外袋と中袋のセットの仕方
お札を入れた中袋を外袋で包み、下の折り返しが上向きになるように水引をかける。また、披露宴に欠席するときは、お祝い金と一緒に手紙を同封するのが一般的。
-
お金の包み方
お祝い金のお札には新札を。肖像画のある方を表に向け、中袋の下側にくるようにそろえて入れる。中袋の表には、大字もしくは漢数字で金額を記入し、頭に「金」、下に「也」をつける。※(大字の場合)→「金参萬円也」、(漢数字の場合)→「金三万円也」というように。中袋の裏面には、自分の住所・氏名を書く。
-
複数でお祝いをするとき
会社名で…会社名や肩書は名前の右側に書く。名前よりもやや上の位置から小さめの文字で入れるとバランスがとれる。 夫婦連名で…右側に夫の氏名、左側に妻の名を記入する。夫婦を代表して夫の氏名だけを書いてもOK。 友人・知人で(2~3名)…右側から順に、一番年齢の高い人or五十音順に氏名を連記する。 グループで(4名以上)…右側に代表者1名の名前を入れ、左側に「他七名」、「〇〇会 有志」、「○○部 一同」などの内容を記す。この場合、全員の名前を連記した紙を別に用意し、お札と一緒に中袋に入れるのが一般的。
-
水引の種類と選び方
結び切り・あわび結び…結婚のお祝いには、「一度きり」を意味する、結び切りやあわび結び(結び切りの変形)のタイプを選ぶ。水引の色は、金銀や紅白のものを。 ちょう結び…「何度も結び直せる」ことから、結婚のご祝儀には避けるべき。出産や入学祝い、長寿のお祝いなど、一般的な慶事には使ってもOK。
■お通夜・お葬式に出席するとき
●通夜での服装
「通夜には急いで駆けつける」という意味から、喪服を避け、地味な平服を着るのがベター。男性は黒のスーツかダークスーツ、女性は地味な色のスーツやアンサンブルなどの慎ましい服装を。メイクやアクセサリーも控えめに。
●葬儀・告別式での服装
- 【女性の場合】
- 光沢のない黒のワンピースかアンサンブルなどを選ぶ。足元は黒のストッキングとパンプスの組み合わせ。真珠の一連ネックレス、婚約指輪・結婚指輪のアクセサリーは身につけてもOK。それ以外の宝飾品や香水、派手なメイクやネイルはタブー。和装なら黒の五つ紋から一つ紋の着物に、帯や小物も黒で統一を。
- 【男性の場合】
- 一般弔問の場合は、略式の喪服を着用すればOK。黒のフォーマルスーツに白無地のワイシャツ、黒のネクタイが正式。靴下も黒で統一し、靴は金具のないプレーンな黒が好ましい。
- 【子供の服装】
- 学生や児童は男女問わず、制服が喪服となる。真夏の場合は、白のシャツ、ブラウスに黒や紺、グレーのパンツやスカート、黒い靴でOK。靴下は黒か白を選んで。
■不祝儀袋の選び方、書き方、包み方
-
不祝儀袋の表書き
毛筆か筆ペン、太めのフエルトペンなどを使って、丁寧な楷書で書く。不祝儀袋は薄墨で書くのが正式。ただし、文字が印刷された不祝儀袋を使うときは、同じ色のインクで統一して。表書きの上に書く「御霊前」は、宗教を問わず、通夜や葬儀・告別式のすべてに対応。表書きの下には、フルネームで氏名を記入する。
-
外袋と中袋のセットの仕方
お札を入れた中袋を外袋で包み、上の折り返しが下向きになるように水引をかける(※慶事とは逆)。式に出席できないときは、ほかの出席者に預けるか、お悔み状と一緒に現金書留で郵送してもOK。
-
お金の包み方
古いお札(新札には折り目を入れる)を使うのが礼儀。また、不祝儀袋のときは、「顔をふせる」という意味で、お札の肖像画がある方を裏向きにして、中袋の下側にくるようにそろえて入れることが多い。中袋の表には、大字もしくは漢数字で金額を記入。(大字の場合)→「金壱萬円也」、(漢数字の場合)→「金一万円也」というように。※金額の頭に「金」、下に「也」をつけるとより丁寧。中袋に金額の欄が印刷されている場合は、それに沿って記入する。中袋の裏面には、自分の住所・氏名を書く。
-
宗教による不祝儀袋の違い
仏式…黒白か双銀(銀一色)の水引(地域によっては黄白の水引)に、「御霊前」の表書きが一般的。四十九日の法要が過ぎると、「御仏前(御佛前)」となるので要注意。「御香典(御香奠)」は仏式の万事に対応できる。 神式…白一色の水引をかけた不祝儀袋が正式。表書きは、「御玉串料」「御榊料」など。 キリスト教式…十字架や花の絵などが入った専用の不祝儀袋がある。表書きは「お花料(御花料)」もしくは「御霊前」とする。※キリスト教式の不祝儀袋には水引を使わない。
-
水引の種類と選び方
弔事の場合も必ず飾り紐をかけるのが日本の習慣。「同じような不幸が何度もないように」という意味で、結び切りの水引がついたご祝儀袋を用意する。水引の色は黒白か双銀(銀一色)が一般的。地域によっては黄白の水引もある。
■家族、親戚の法要に出席するとき
●年忌法要(法事)とは
故人の祥月命日(しょうつきめいにち・亡くなった月日のこと)のうち、一定の年に生前に縁をもつ人たちが集まって、故人からもらった恩に感謝をして、供養をすること。命日当日に法要ができない場合は、事前に行うのが基本。三回忌以降は数え年で計算する。 ※宗派や地域によって一部省略される場合もあり
年忌法要(法事)一覧 | |
---|---|
百ケ日(没後100日目) | 卒哭忌(そっこくき)とも呼ばれ、おつとめを正式に終え、天国の住人になる日と考えられている。家族、親族、知人で法要を営む。 |
一周忌(没後1年目の祥月命日) | 祥月命日に営むはじめての法要。寺や自宅などで、家族、親族、知人を招いて供養をする。 |
三回忌(没後2年目の祥月命日) | 家族と親族、親しい知人などを招いて、供養をする。 |
七回忌(没後6年目の祥月命日) | 家族と親族、ごく親しい人を招いて、供養をする。 |
十三回忌(没後12年目の祥月命日) | おもに家族と親族が集まって、供養をする。 |
十七回忌(没後16年目の祥月命日) | |
二十三回忌(没後22年目の祥月命日) | |
二十五回忌(没後24年目の祥月命日) | |
二十七回忌(没後26年目の祥月命日) | |
三十三回忌(没後32年目の祥月命日) | おもに家族と親族が集まって、供養をする。「弔い上げ(とむらいあげ)」として、この年で年忌供養を終えることが多い。 |
三十七、四十三、四十七回忌(没後36、42、46年目の祥月命日) | おもに家族と親族が集まって、供養をする。故人を偲び、五十回忌以降も50年ごとに法要を営む場合もあり。 |
五十回忌(没後49年目の祥月命日) | |
百回忌(没後99年目の祥月命日) |
■法要に出席するときの服装
一周忌までの法要は喪服を着て参列する。それ以降は、男性は黒、濃紺、グレーなどのダークスーツ、女性は地味な色のワンピースやツーピース、スーツ、着物(無地、小紋など)を着用しても可。
■香典の包み方
一般的に四十九日までは白黒、それ以降は双銀(銀一色)や黄白の水引の不祝儀袋に現金を包む。表書きは「御仏前」とし、その下に氏名をフルネームで記入する。一般的な香典の相場は5000円~1万円。故人との関係や会食の有無に合わせて、3万円程度を上限に用意することが多い。法要に出席できない場合は、当日までに郵送するか自宅に持参してもOK。
■お供物の渡し方
お菓子やフルーツ、花や線香などを持参して、施主から御仏前にお供えをしてもらう。(不祝儀袋と同様ののしに、「御供」「粗供養」と表書きをする)。法要に出席できない場合は、当日までに送っても可。故人に捧げるものなので、故人が好きだった品物を選んでも◎。
お祝い、いろいろ
独身時代は、出会った日やつきあい始めた記念日、お互いの誕生日など、ふたりに関するお祝いが中心だったけど、結婚したら、さまざまな種類のお祝いごとがあるもの。お祝いするのを忘れないのはもちろんのこと、その意味合いやお祝い金の相場を知っておこう。
●おもなお祝い金の相場
親戚へ | 友人・知人へ | 備考 | |
---|---|---|---|
出産祝い | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | 原則として、産後7日を過ぎてから30日以内に。 |
七五三 | 1万円~2万円 | 5000円 | 初節句のお祝いも同様 |
入学祝い(小学校) | 5000円~1万円 | 3000円~5000円 | |
入学祝い(中学校) | 1万円 | 3000円~5000円 | |
入学祝い(高校) | 1万円 | 5000円 | |
入学祝い(大学) | 1万円 | 5000円~1万円 | |
成人祝い | 1万円 | 5000円~1万円 | |
出産祝い | 5000円~1万円 | 5000円~1万円 | |
長寿祝い | 1万円~10万円 | - | ※長寿のお祝いは別枠で解説 |
結婚記念日のお祝い | 5000円~1万円 | 3000円~5000円 | |
新築・引越し祝い | 1万円~5万円 | 5000円~1万円 | |
成人祝い | 1万円 | 5000円~1万円 | |
就職祝い | 1万円 | - | |
定年退職のお祝い | 1万円 | - | 表書きは「御餞別」とする |
●おもな長寿のお祝い
数え年 | 満年齢 | 意味 | |
---|---|---|---|
還暦(かんれき) | 61歳 | 60歳 | 生まれ年の干支に還るという意味。 |
古稀(こき) | 70歳 | 69歳 | 中国の詩句「人生七十古希稀なり」に由来 |
喜寿(きじゅ) | 77歳 | 76歳 | 「喜」の文字を七十七にたとえたもの |
傘寿(さんじゅ) | 80歳 | 79歳 | 「傘」の文字を八十にたとえたもの |
米寿(べいじゅ) | 88歳 | 87歳 | 「米」の文字が八十八の組み合わせになる |
卒寿(そつじゅ) | 90歳 | 89歳 | 「卆」の文字が九十の組み合わせになる |
白寿(はくじゅ) | 99歳 | 98歳 | 「百」から「一」を取ると、「白」になる |
百寿(ひゃくじゅ) | 100歳 | 99歳 | 「百賀の祝い」と呼ばれることから |
※満年齢の誕生日以降に、身内で食事会を開いたり、旅行などをプレゼントする人も多い。
■水引の種類と祝儀袋の選び方
結婚祝いの祝儀袋と同じように、さまざまなお祝い金をさしあげる際には、祝う内容や金額に見合った祝儀袋を選ぶのがマナー。とくに、水引の種類にはそれぞれ意味があるので、間違わないよう注意したいもの。
- 【結び切り】
- 結び直しのできない水引は、「一度きりのお祝い」を意味するもの。結婚祝いや快気祝いなどの慶事に。
- 【あわび結び】
- 結び切りと同様に使ってOK。「淡路結び(あわじむすび)」ともいう。
- 【ちょう結び】
- 何度繰り返してもよいお祝い事には、ちょう結びの水引がついた祝儀袋が最適。出産祝いや入学祝い、新築祝いなどに。
- 【祝儀袋に入れる金額の目安】
-
・金銀の水引…3万円以上
・紅白の水引…1万円~3万円
・印刷された水引…5000円
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