ウエディングプランナー
清水真由季さんのアドバイス
私は以前、ドレスコーディネーターをしていたんですが、いちばん初めに試着したウエディングドレスがその方にとっての正解である、という法則がありました。例えば10着ぐらい試着すると、戻り戻って最初に試着したドレスに落ち着くことがほとんどなんですね。
着れば着るほど、どのドレスが着たいのかわからなくなって、迷子になってしまうのだと思います。
会場選びもそれと同じで、見れば見るほど迷子になって、「あれ?そもそもどんな結婚式がしたいんだっけ?」と、迷ってしまう。だから私は、最初のインスピレーションを大切にしてほしいと思っています。とはいえ、何か選ぶコツというか、指針があると安心ですよね。
例えば、どんな雰囲気が好きか、駅からのアクセスは便利かなど、ふたりの優先順位を決めてブライダルフェアに行くとインスピレーションを感じやすいと思います。そのうえでチェックしたいのが、実はそういった「目に見える部分」よりも「見えない部分」です。
次の2つのチェックポイントを頭の隅に置いて、会場見学をしてみてください。
「このチャペルがすごくカッコいい!と、一目惚れされる方が多いんですよ」
「全天候型だから、挙式当日に雨が降っても大丈夫です」
「駅からすぐの好立地で、最高のロケーションですよね」
こういった、ハード面の魅力だけに惑わされてはいけません(笑)
いえ、笑い事ではなくて、ハード面の魅力が前面に出ている会場は、ともすればその建物が主役になってしまって、その結果、どのカップルの結婚式も似たような、型にはまったものになりがちなのです。これでは、期待を超えるような結婚式の夢を思い描くことは難しいでしょう。
意外に思われるかもしれませんが、自分たちの結婚式を安心して任せられるかどうかを見極めるコツは、プランナー「以外」のスタッフをチェックすることです。「結婚式場のスタッフって、みんな接客のプロでしょ」と思っている方も多いと思いますが、意外にそうでないこともあるからです。
プランナーは接客のプロですから、おふたりが良い印象をもって当たり前。むしろ、目の前のプランナーではなく、ブライダルサロンに立っているスタッフや、ドリンクを持ってきてくれるスタッフをチェックしましょう。プランナーが席を外した隙をねらって、他のスタッフに化粧室の場所を尋ねてみるのもいいですね。直接会話を交わすことができるため、そのスタッフの人となりがチェックできます。
スタッフの対応をチェックしてみると、その会場のチーム力を試すことができます。
チームワークのよい会場は、自分の担当以外のお客様にもちゃんと向き合えるもの。それはつまり、挙式当日、ゲスト一人ひとりが満足できる会場であるということです。
逆に、自分の仕事だけに集中していて全員が一つの方向を向いていない会場は、結婚式の準備を楽しむことはおろか、挙式当日のゲストを安心して任せることもできません。
結婚式の当日、扉が開くその瞬間まで、どんな結婚式になるかわからない、それが結婚式です。
それはスタッフである私たちも同じです。カタチのないものだからこそ、花嫁の美を高めるスタイリストや、お花を準備するフローリスト、ゲストにお料理の説明をするサービススタッフなど、全員が同じイメージを共有して向かわなければ、チームはひとつになれないのですから。
ブライダルフェアではぜひ、この「2つのチェックポイント」も見逃さずに見学してみてください。会場見学1軒目でスタッフのチームワークのよい会場に出会えたら、おふたりの結婚式を安心して任せられると思いますよ。
清水 真由季Shimizu Mayuki
大学卒業後、1部上場の大手ブライダル企業を経て、バリューマネジメントに入社。鮒鶴 KYOTO KAMOGAWA RESORTでプランナーとして経験を積み、現在はAKAGANE RESORT KYOTO HIGASHIYAMA1925でマネージャーとして活躍中。この会場を選んだ理由は「結婚式に本気で向き合い、業界全体の底上げを考え、他社にまでよい影響を与えるべきだという広い視野を、社員全員が持っているところが大好きだから」。
バリューマネジメントグループ