ウエディングプランナー
八木陽子さんのアドバイス
大好きな彼と意見が合わないと少し寂しいし、とまどったり不安な気持ちになりますよね。「ま、そういうこともあるよね」って考えることも、交際期間であれば1つの手かもしれません。ただ、結婚して人生を一緒に歩んでいくお二人にとっては、見過ごせない問題だと思うのです。だって、夫婦になったら「ま、いっか」ではなく、夫婦で話し合って1つの答えを出さなきゃならないことがたくさんあるのだから。
つまり、お二人は今、幸せなチャンスに遭遇しているんですよ。
結婚する前に、お二人の間にある価値観の違いや意見の相違を発見することができたからです。結婚前の今だからこそ、よく話し合って相手のことを理解し、分かり合うという、夫婦にとって大事なステップを経験しておいてほしいと思います。
そこで、彼と話し合って理解を深めるために、まず、あなた自身の気持ちを整理してみましょう。あなたはなぜ、披露宴がしたいですか?
「なぜ?って聞かれても困る・・・だって披露宴はするものでしょ?」
そうです、披露宴はするものです。ここで知っておいてほしいのは、誰のためにするのか、ということ。正解は次の通りです。
【挙式】夫婦になることを誓い、ケジメをつける = 新郎新婦のため
【披露宴】① 感謝を伝え、おもてなしをする = 招待するゲストのため
② ゲストにパートナーをお披露目する = パートナーのため
披露宴をする意図意味は2つあります。1つは、これまでお世話になった方々に感謝を伝えること。もう1つは、親族や友人、職場関係といった自分のコミュニティの方々に、パートナーをお披露目することです。この2つのことが披露宴や会食というスタイル以外でできるなら、披露宴をしなくてもよいということになりますが、なかなか難しいですよね。1人1人に会いに行ったとして、いったい何年かかるんだろう・・・って、途方に暮れてしまいます。
「なるほど。披露宴ってやっぱり必要なんだ。でも、彼が納得してくれるかな・・・」
そうですよね、話し合ってダメだったら・・・って考えると不安になりますよね。彼に納得してもらうコツは、彼を説得しようと思わないことです。
まず最初に、彼がなぜ披露宴はしたくないのか、その理由を聞いてあげましょう。
そのうえで、あなたの素直な気持ちを伝えてみてください。
そして最後にこう言うのです。「私のために披露宴がしたいのではなくて、大切なあなたをみんなに紹介したいから」と。大丈夫。彼はきっと、あなたの思いやりに気付いて、喜んでくれるはず。そして、こうやって話し合って歩み寄ることができたお二人は、さらに夫婦になるための絆が深まることでしょう。
最後に、ある新郎さまのエピソードをご紹介しますね。男性にとって披露宴は大きなチャンスだ!と捉えた方がいらっしゃったという実話です。
その新郎さまは音楽関係のお仕事をされていました。有名なミュージシャンでもなく、大手レコード会社に勤務しているというわけでもありません。ある日、新郎さまは披露宴に対する考え方をこう語ってくださいました。「彼女の親戚や友人はきっと、僕が音楽関係の仕事でちゃんと生活していけるのだろうか?って不安なはずです。でも、僕自身のことを実際に見てもらえれば理解してもらえると思う。だから披露宴は、僕にとって大きなチャンスだと思っています」
披露宴をすることは、新郎さま、新婦さまにとってそれぞれに意図意味があります。
まずはご自身の意図意味を明確にすることからはじめましょう。
そして、お互いの考えを伝えあい、相手の気持ちを受け止めましょう。
よい披露宴にするためにも、この時間はおふたりにとって必ず意味のあるものになるはずですよ。
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八木 陽子Yagi Youko
7年間の間に、手がけた結婚式の件数のべ200組のチーフプランナー。現在、京都・滋賀を中心に活躍中。「ウエディングプランナーは天職。他の仕事をする気がしません」
バリューマネジメントグループ