結婚LABO(ラボ)他人に聞けない結婚式の悩みに プランナーの本音トーク続々!プロフェッショナルガイド

「この人と、ずっと一緒に生きていきたい」
そんな気持ちがお互いのなかで育っていって、その結果、結婚というゴールに向かわれる方がほとんどだと思います。
でも、なかには、お互いのことをもっと深く理解したい、そのために結婚式をしたいという方も。
このお話は、そんな想いをかかえて相談にいらっしゃった、ある新郎新婦さまの物語です。

Point1

「結婚式をする意味がわかりません」

「とにかくインパクトのある結婚式にして、感動したいんです!」
初めてお会いした時から、新郎さまのテンションは最高潮でした。
もう、ウエディングプランナーとしては腕が鳴りっぱなしです!
さまざまな角度からご提案をしようとはりきっていたところ、新婦さまはイマイチ盛り上がらないご様子。
そこで、打合せはいったんお休みして、新婦さまと話し合うことにしました。

「ただでさえ目立つことはしたくないのに……結婚式をする意味がわかりません。 どうしてもしなきゃならないんだったら、静かに、厳かにやりたいのに……」

そうなんです。そもそも結婚式への想いが、180度ちがうおふたりだったのです。

Point2

口げんかが絶えないおふたり。新郎さまの胸に秘めた想いとは?

言うならばそれは、白と黒。水と油。
結婚式のテーマを決めようとしても、真逆なおふたりだから、決まるはずもありません。
心を閉ざしたままの新婦さま。日に日に増えていく口げんか……。

すると、新郎さまがこう打ち明けてくださいました。
「今まで、ふたり一緒に何かをがんばるってことがなかった。このままでは、
仲はいいけど、彼女のことを深く理解しないままになるような気がするんです」

結婚式の準備を一緒にがんばって、もっと彼女のことを理解したい。
そのうえで、「僕はこの人と結婚します」と、胸を張ってみなさんに宣言したい。
実はそんな目標があったのです。

Point3

「奇跡です!」

ただ目立ちたい、派手なことをしたいだけ、としか彼のことを捉えていなかった新婦さまは、その日から次第に心を開いてくださいました。
共通の趣味や友人にまつわる写真、ふたりの思い出の場所。
あらゆるモノを集めた手作りのウエルカムボードが完成したとき、新郎さまがひと言。
「奇跡です。手作りなんて興味なかった彼女が、ここまでついてきてくれるとは!」

そのおふたりは、結婚式が終わった今でも、ときどき遊びに来てくださいます。
「口げんかですか? 今でもしょっちゅうしてますよ(笑)
でも、あのとき歩み寄ることを覚えたから、けんかしてもすぐに仲直りできるんです」

さて、あなたはどんなことを目標に、結婚式の準備を始めますか?

八木 陽子

Yoko Yagi

7年間の間に、手がけた結婚式の件数のべ200組のベテランウエディングプランナー。現在、京都・滋賀を中心に活躍中。「ウエディングプランナーは天職。他の仕事をする気がしません」
バリューマネジメントグループ