それはもう、夢のような時間でした。
そこにはみんなの笑顔がいっぱい溢れていて、今思い出してもニヤニヤしてしまいます。
私たちが何か特別な演出をしたとか、そういうわけではないんですよ。
強いていえば、次のようなポイントにしぼったことぐらいでしょうか。
料理がゆっくり楽しめるプログラムにすること
私が結婚式をした会場で、以前、披露宴のサービススタッフをしていたことがありまして。
いつも「あぁ、もったいない……」と思っていたのが料理なんです。
その会場の料理はフレンチなんですが、どんなに大人数の披露宴でも、スープやソースをすべていちから手作りするというこだわりぶりで、これはもう絶対、美味しいのです。
なのに、手をつけられないまま下げなければならないお皿がある……。
それは、余興をお願いされたゲストの方のお皿なんです。
余興によっては準備に時間がかかり、ほとんどの料理が食べられなかったということも!
これって、実にもったいないですよね?
もったいないのは料理だけではなく、おしゃべりする時間が削られるのももったいない。
せっかくおふたりのために集まってくださったのだから、ゲストのみなさんは、もっとおふたりと話をしたいと思われているはずです。
余興や演出を詰め込みすぎると、必然的に、その時間は少なくなっていくのです。
というわけで、私の結婚式では余興を一切お願いしませんでした。
披露宴の間じゅう、彼と私は、ずっと誰かとしゃべっていたような気がします。
そして料理は、今でも話題にのぼるほど大好評でした!
ゲストに結婚式をつくってもらうこと
ゲスト全員に一体感が生まれるような、そんな結婚式にしたいと思っていました。
そこで、担当のプランナーと一緒に考えた演出が2つありまして、1つはお花のコサージュをつけてもらうことです。
あらかじめ席札と一緒にセッティングしておいた、お花のコサージュ。
女性のゲストは髪飾りにしたり、ブレスレットにしたり。
男性なら胸ポケットに挿す方が多かったですね。
「あ、そこにつけたんだ。じゃあ僕も!」というふうに、披露宴が始まる前から盛り上がっていたみたいです。
2つ目は、バレンタインデーが近かったので、お色直し入場の際にバレンタインクッキーをプレゼントしながら歩いたことです。
お色直し入場って、どうしても花嫁が主役になりがちなので、彼にクッキーを渡す役をしてもらいました。
すると、「おめでとう!」と言われるごとに、彼のテンションが上がっていったという(笑)
予想外のできごとでしたが、彼がすごく楽しそうで、私自身も幸福なきもちになりました。
こうして振り返ってみると、ほんとに特別なことをしていませんね。
でも、だからこそ、結婚式は人と人とがつくるものだと実感できたんだと思います。
長岡 美絵 Emi Nagaoka |
教育関連、一般事務の仕事を経て、仕事を続けながらウエディングスクールに。スクール卒業後、念願のウエディングプランナーになって2年。きっかけは「子どもを産んだ友だちが、結婚式をした会場に見せに行ったという話を聞いて。お客様と息の長いおつきあいができるなんて、究極の接客業です」
バリューマネジメントグループ