会場見学に来られたカップルにはまず、ご希望の招待人数をお尋ねするのですが、「30名〜70名」と、ものすごく幅をもたせてお答えになるケースが実は多いです。
そこには、30名=家族だけ、あるいは、70名=披露宴のどっちにしようか迷っている、という気持ちが表れているんですね。
では、なぜ迷うのでしょう?
それは、何のために結婚式を挙げるのか、まだふんわりとしかイメージできてないからです。
結婚式を挙げる意味・・・それは主に、次の3つです。
感謝
結婚式には、家族、親族、学生時代の恩師や友人、職場の同僚や上司などなど、おふたりがこれまで関わってきた方々が一堂に集まります。
こんな機会は一生に一度のことですから、きちんと対面で「ありがとう」と伝えることができます。逃す手はありませんよね。
<もしも挙げなかったら> お互いの人間関係をよく知らないまま結婚生活が始まると、一番困るのは親戚付き合いだと言われています。例えば、初めて彼の親戚に会うのが誰かのお葬式だったとします。あなたは誰も知り合いのいない席で居場所がなく、しんどい思いをするかもしれません。あなた自身も親戚の一人なのに、です。
お披露目
結婚式はゴールではなく、スタートです。
スタート地点に立ったふたりがするべきことは、これから先の人生に関わる人びとに「まだ若いふたりですので、これからもよろしくお願いします」と伝えること、それがお披露目です。
また、誰にお披露目をするべきか迷ったら、次のように考えてみてください。
●過去…もう何年も会っていない友人など、こんな時だからこそもう一度会いたい人。結婚式をきっかけに、再びお付き合いが始まるなんて素敵ですね!
●現在…親戚、職場の同僚、親友など。今もっとも関わりのある人びとを、一度に紹介し合えるという絶好の機会になります。
●未来…この人と今後、関係を築いていきたいなと思う人がいれば、たとえ出会って3日目の人でも招待客候補に。なぜなら、結婚式に招待される=大事に思われている、信頼されているという印象を相手に与えるから。そしてそこから、相手との関係がぐっと深まるのです。
<もしも挙げなかったら>
大事な人とのつながりを深める、絶好のチャンスを逃してしまうことになります。
私自身にも、入籍のみで結婚式を挙げなかった友人がいるのですが、彼女のご主人に会うきっかけがないままになっています。
やっぱりどこか、彼女の幸せを一緒にお祝いしたかったので寂しく思いましたね。
けじめ
当たり前のことですが、結婚式をせずに結婚報告ハガキを送るのと、結婚式に招待するのとでは、けじめの付き方がまったく違います。
結婚報告ハガキは「言葉」で、結婚式は「時間」だからです。
言葉だけではなく、ふたりがプロデュースした時間を共有することによって、ゲストのみなさんは「ここまで成長したんだなあ」と実感することができ、その実感こそが、一体感と絆を生むのです。この一体感、経験しないのは実にもったいない!
<もしも挙げなかったら>
結婚式という時間は、写真やビデオといった宝物として一生残ります。そこに映っているのは、みんなの笑顔や、楽しかった思い出、胸が熱くなるような感動、そして、大好きな彼の愛です。だからこそ、「辛いことがあった日は、結婚式のアルバムやビデオをみる」という先輩花嫁が多いのではないでしょうか。
いかがでしたか?
結婚式は一日のことだけど、一生ものです。
ぜひ、たくさんの方と一緒に「今しかできないこと」を楽しんでくださいね。
上田 知世 Tomoyo Ueda |
結婚式の司会を経て、ウエディングプランナーに転向。ホテル、ゲストハウス、レストランといった全ジャンルの結婚式を手がけ、担当した結婚式は300組を上る。現在は、コンサルタントとしても活躍。コーチングや教育のプロフェッショナルとして婚礼業界の更なる発展に寄与している
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