結婚式場のプランが流行したのは今から10年以上も前、ほとんどのカップルが結婚式をする時代のことでした。「結婚式はしなければならないけど、経験がないから何を注文すればいいのかわからない」、そういった多くのカップルに向けて、標準的なアイテムを一通り組み込んだプランが用意されたのです。
よりわかりやすく言い換えるなら、旅行のオプショナルツアーを申し込む時に似ています。オプショナルツアー自体、経験したことがないのだから、もっとも標準的なものを選びますよね。それと同じで、結婚式も人並みのことができていれば安心、つまりプランは「標準」なのです。
ところが、ここ10年ちょっとで結婚式の価値観は大きく変わりました。
結婚式をしないカップルもいる。
だからこそ、結婚式をするなら他にない個性を表現したい。
自分たちらしい結婚式にこだわりたい。
主にこういった特徴があります。そうすると、これまでの人並みで標準的なプランでは、個々のニーズを満たすことができないという現実が見えてきますよね。
では、プランを使ったうえで、個々のこだわりを追加していけばよいかというと、そうではありません。そもそもプランは、結婚式場側が組み立てたものなので、人によっては必要なものも、そうでないものも含まれています。プランなのでバラすことはできません。そこへ別のアイテムを組み込んでいくと、結果的に割高になってしまうのです。
例えば、ウエディングドレス。「運命の一着を見つけたい!」と多くの花嫁が望んでいると思いますが、プランを使って選べるドレスはラインやカラーが限られているため、妥協しなくてはならないこともあるでしょう。「ドレスは妥協したくない!」となるとプラン対象外から選ぶため、ドレス代はプラン外+プラン内の両方を支払うことに・・・。
結婚式を少しでもお得にする方法はただひとつ、各アイテムの優先順位を決めることです。
前述のドレスも優先順位の高くなるアイテムのひとつですが、そのほかに、「ゲストに感謝のきもちを伝えたい」という優先順位がもっとも高いカップルは、おもてなしに関わるアイテムを優先的に選びましょう。快適な空間が整っていて、料理が美味しく、スタッフのサービスの質が高いこと、これらのバランスが整っていれば最高のおもてなしができるでしょう。そして予算に余裕があれば、自分たちのこだわりたいもの(衣裳や装花、演出など)を、これまた優先順位の高いものから選んでいきます。
つまり、プランを使う必要はもう、どこにもありませんね。
みんなにとっての「標準」ではなく、おふたりにとって「最高」の結婚式を、ゼロから一緒に創り上げていきませんか?
椹木 秀明 Sawaragi Hideaki |
ドレスメーカーの営業職を経て、ウエディングプランナーとして関西の結婚式場運営会社に中途入社。婚礼業界の古い慣習や、結婚式の費用は適正価格なのかと疑問を感じていたため、愚直に真っ当に原価をかけて、子どもから年配までゲスト全員に適切なサービスを提供しようとする企業姿勢に深く共鳴。「神戸迎賓館 旧西尾邸」や「北野異人館 旧レイン邸」などを経て、現在は「鮒鶴 KYOTO KAMOGAWA RESORT」の婚礼マネージャー。
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