年配のゲストに不自由な思いをさせたくないというお気持ちから、バリアフリーや駅からのアクセスといった、施設面の便利さを気にされるのが一般的かと思います。でも実際には、そうではないことのほうが多いんですよ。列席されたゲストのお声をうかがってみると、多くの年配のゲストは「料理が美味しかった」「スタッフの教育が行き届いていて、気の利いた対応に感心した」といったことで喜ばれており、決して「エレベーターがついていて、良い結婚式だった」とはおっしゃいません。つまり、便利さ=結婚式での満足度ではないのです。
そこで、①料理だけでもおもてなしができるかどうか ②スタッフの対応は気持ちいいかどうか この2つのチェックポイントを挙げて、おふたりが会場見学に行った際に、年配のゲストに喜ばれる会場であるかどうかを見極めるコツをご紹介します。
料理だけでもおもてなしができるかどうか
年配のゲストは結婚式に出席された回数が多いので、経験値が高く口の肥えた方が多いです。料理に関しては直接ゲストの口に入り、記憶に残るため、他の結婚式と比較されやすいアイテムだといえるでしょう。つまり、おもてなしができる【料理】がある会場なら、年配のゲストをお招きするのにふさわしいといえます。
とはいっても、おふたりと年配のゲストとでは経験値がまったく違います。よほどグルメなおふたりでない限り、評判や試食だけで判断するのは難しいですよね。
そこで、会場見学の際に、以下のようなことをしてみてください。
●シェフに「料理へのこだわり」を聞いてみる
素材にこだわっているのか、調理法なのか、盛りつけの美しさなのかなどなど、実際にシェフとお話しをしてみるのです。なぜなら、料理は「人」が作るものだから。話しをすることで、写真や評判からはイメージできなかったことを感じることができるはずです。
●イレギュラーな対応ができるかどうか質問する
アレルギーのある食材を使わないなどの個別対応はもちろんですが、年配のゲストが多い場合、糖尿病などで食事制限が必要な方もいらっしゃるでしょう。「具体的に、どういう対応ができますか?」と質問してみてください。料理にこだわりの強い方は、初めて会場見学にお越しになった時にこういった質問をされることも多いですよ。
●披露宴のフルコースではない料理を食べてみる
レストランを併設している会場なら、披露宴のフルコースではない料理を食べてみるのもおすすめです。披露宴のフルコースは、素材も盛りつけも美味しさも合格点が出るはずなので、それとは別に、レストランメニューにも満足できれば間違いないでしょう。実際に、私が接客したお客様より、「結婚式の料理じゃないものを試食したい」とリクエストをいただいたこともあります。
スタッフの対応は気持ちいいかどうか
気持ちいい対応ができる会場には、目の前のお客様お一人おひとりをサポートできるスタッフがいます。例えば、結婚式当日に重たそうな荷物を持って到着されたゲストがいれば、さっとドアを開けて荷物を持ってさしあげたり。化粧室の場所を探していらっしゃるゲストをさりげなくご案内できたり。どれも些細なことですが、それはすべてスタッフ一人ひとりの想いが形となっている証しです。そして、そういったスタッフ教育の行き届いている会場なら、ホテルでもゲストハウスでもレストランでも、年配のゲストに気持ちよく過ごしていただけるものです。
会場見学の際には、以下のようなシチュエーションでスタッフの対応をチェックしてみてください。
●クロークやレセプションでの対応
おふたりが最初に接するのは、クロークやレセプションのスタッフかと思います。そこであなたが「○時に見学予約を入れたんですが…」と告げた際、すぐにスタッフが「○○様ですね、お待ちしておりました!」と対応できれば合格。なぜなら、今日お越しになるお客様の情報をスタッフ全員が共有できている証拠だから。当たり前のように思われるかもしれませんが、1日に何十組もの新郎新婦が来館する規模の会場で、こういった対応をされるとやっぱり気持ちのよいものです。
●ドリンクが少なくなった時の対応
ブライダルサロンでの打合せ中、あなたのドリンクがなくなりかけているとします。そのとき、他のスタッフが席へやってきて「お代わりはいかがですか?」と声をかけてくれたなら合格。逆に、もうグラスが空になっているのに放置されていたらアウトです。理由はお分かりですよね?そういった目配りや気配りは、結婚式当日の披露宴でも発揮されて、ゲストが気持ちよく過ごせるからです。
いかがでしたか?
ポイントは、料理と、スタッフの気持ちいい対応です。
以上の2つのポイントでチェックをして頂くと、年配のゲストにとって、便利な施設であることはそれほど重要ではないということが、お分かりいただけると思います。「年配のゲストが多いから、余興とかはせずに、ゆっくり楽しんでもらいたい」と思っているおふたりならなおさら、この2つのチェックポイントをクリアできる会場を探してみてくださいね。
河合 美香 Kawai Mika |
インターネット通販会社でアパレルのバイヤーを経験後、「人と触れ合えて、女性が長く輝ける仕事がしたい」との思いが募り、関西にあるウエディングスクールに入校。卒業後、関西のウエディング会社に就職。3会場でウエディングプランナーを経験後、現在、「ザ・スイート銀座」のゼネラルマネージャー。
バリューマネジメントグループ