古くから日本の結婚式では縁起をかつぐことが良いとされることがたくさんあります。大安や友引といった日取りが好まれますし、ご祝儀の金額は「割り切れない」という意味合いを尊重して奇数にするのがマナーです。結婚式当日も、披露宴が終わることを「終了」ではなく「おひらき」といった言葉を使いますよね。日本ならではの繊細さが表れている風習ですが、それほど、結婚式では縁起のよいことが大事にされているのです。
同じように、一度申し込んだ会場をキャンセルして他の会場を検討するのは「後戻り」に当たるので、結婚式においてはあまりおすすめできません。とくに、ご両家がお日柄や数字といった縁起のよい事柄を気にされるなら、なおさら避けたいところです。
ただ、「どうしても他の会場が気になっている」とのことなので、そのモヤモヤした気持ちに上手く整理をつけることは大事です。
ちょっと思い出してみてください。
お二人はなぜ、その会場に決めたのでしょうか?
やりたいことやこだわりを叶えてくれそうだと思ったから?
サービス面やスタッフに安心できそうだったから?
日取りや見積りなどの条件がフィットしたから?
いずれにしても、お二人の希望に合う会場だから申し込みをされたことと思います。それなら、そんな会場を手に入れた幸せをぜひ感じてほしいのです。モヤモヤの原因が「もっと他にいい会場があるかもしれない」であれば、懸念に過ぎないこと。そうですね、例えばこんな感じによく似ているかもしれません。
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新機能がいっぱい搭載されたスマホが出た!
今使ってるのに不満はないけど、新しいのがどうしても気になる・・・
思い切って機種変更してはみたものの、新機能は結局使ってない
なぜなら自分の使いたい機能は元のスマホにあるもので十分だったから
同じように、本来お二人に必要な要素がそろった会場に決めたのであれば、もう、他の会場を見に行く必要はありません。そこが100点の会場だと思いますよ。
また、これから会場探しを始める方にもぜひ、100点の会場に出会っていただきたいと思います。そのためには、会場見学に行く前にネットや結婚情報誌で情報収集をしたり、お二人で話し合って会場を絞り込んでおくと安心ですね。会場を絞り込むコツは、
お二人が譲れないポイントを決めておく
あったらいいなというポイントを決めておく
この2点です。①はもちろん最優先事項。②は、「あったらいいな」=「なくてもいい」、つまり、別のことで代用できるポイントです。②の「あったらいいな」ポイントがなくても、①の「お二人が譲れない」ポイントを満たす会場が見つかったのなら、そこがお二人にとって100点の会場であると言ってよいでしょう。
もし、他の気になる会場にも行こうと決めたのであれば、事前に上記のふたつのポイントを整理して、特に①がおふたりにとってどのように感じるのかを見てみましょう。
上田 薫 Ueda Kaoru |
インターネット広告の営業職として勤務する傍ら、かねてよりの夢だったウエディングプランナー養成スクールに通い、2009年3月に転職。the Hillside Rokko Yamanote、神戸迎賓館でプランナーとして経験を積み、北野異人館 旧レイン邸の立ち上げに参加。現在、鮒鶴 KYOTO KAMOGAWA RESORTのチーフプランナーとして活躍中。
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