結婚LABO(ラボ)他人に聞けない結婚式の悩みに プランナーの本音トーク続々!プロフェッショナルガイド

いま現在、いくつかの会場を見学して検討中の方からのご質問ですが、本来は楽しいはずの会場探しが、見積もりに対する不信感が原因で楽しめないご様子・・・
ウエディングプランナーとして、ウエディング業界を代表して、謝罪させてください。
誠に申し訳ございません。

ご見学の際の見積もりが、会場決定後に上がるのには、主に次の4つの理由があります。

結婚式の見積もりが上がる4つの理由

1)安く見せかける会場が多いため
新郎新婦さまに、数ある会場の中から選んで成約していただきたいがために、多くの会場ではギリギリの金額設定を行っています。
たとえば、テーブル装花は1卓につき6000〜7000円が平均ですが、ここを3000円にすることで安く見せかけるようです。ただし、価格が半分になれば装花のボリュームも半分。
会場成約後、フローリストと打合せをしてみるとやっぱり「少ない」と感じるため、結果的に、見積もりが上がります。

2)どんなものが欲しいかわからないため
これは仕方のないことなのですが、初めての結婚式ならとくに、どんなものが欲しいのかわからないまま見積もりを取ることになります。
具体的には、どんな演出がしたいのか、写真やビデオはどのぐらい力を入れたいのか、などいくつかありますが、新郎新婦さまからのご要望がない限り、見積もりには含まれません。
会場との打合せが始まって、欲しいものが明確になってから追加注文、ということはつまり、見積もりが上がるのです。

3)招待人数が増えるため
会場見学時に、具体的な招待客リストを持っていらっしゃる方はほとんどいません。
「だいたい○○人ぐらいかな」というお申し出を元に見積もりを作るわけですが、結婚式の準備が進むにつれ、招待したいゲストの人数は増えていくのが一般的です。
人数が増えればそのぶん、費用も増えます。

4)親御さまの意向が加わるため
「お料理はもっといいものを出しなさい」
「ドレスだけじゃなくて、着物姿も見せてほしい」
といったように、親御さまの結婚式に対する思いは、お二人同様に特別です。
親御さまの意向によって、後からいろいろプラスすることになり、結果的に上がります。

以上、見積もりが上がる理由を4つお伝えしたわけですが、このうち3)と4)に関しては、見積もりアップを予防する方法があります!

親御さまの意見をヒアリングしてから見積もりを

3)「招待人数が増えるため」を予防する方法
招待人数が増える理由の多くは、ご親族の人数によるものです。
お二人が考えるご親族の顔ぶれと、親御さまが招待したいご親族の顔ぶれには、少し開きがあるのかも知れませんね。
招待するご親族の人数は、あらかじめ親御さまに確認されることをおすすめします。
加えて、ご友人や職場の方など、お二人に関わるゲストの人数も多めに設定しましょう。
あとで減らすことはいくらでもできますから。

4)「親御さまの意向が加わるため」を予防する方法
見積もりを取ったあとで親御さまの意向が強く現れるのは主に、料理、衣裳、引出物です。
つまり、これらを親御さまの希望をふまえて見積もりを取っておくと、大幅な見積もりアップを防ぐことができるのです。
とくに料理は、数種類のフルコースがあるなら一番上のコースを。
自由に組み合わせるプリフィックスコースなら、オードブルからデザートまで最上ランクのメニューを選んでおくと間違いないでしょう。
あとでランクを下げることはいくらでもできます。

もしも、それほど具体的に親御さまの意向を聞き出すのが難しいようでしたら、ざっくりとこう聞いてみてください。
「結婚式するなら何を重視したらいいかな?」
そのお返事を元に見積もりを取っておくと、過度な見積もりアップは避けられますよ。

いかがでしたか?

次の会場見学は、見積もりアップのカラクリを頭の片隅に置いて、行ってみてください。
とくに、1)のような会場側の手法を知っていると逆に、見積もりを取るのが楽しくなるかも(笑)

ただ、私個人の気持ちとしては、見積もりに振り回されないでほしいです。
「ここだったら、いい結婚式ができそう」
「この人だったら信頼できる。任せられそう」
と、お二人が結婚式まで楽しく過ごすことのできるようなプランナーを見つけてください。
お二人が出会い、晴れて結婚式を迎えられるのも、ご縁があってこそ。
同じように、会場やプランナーとの出会いも、何らかのご縁だと思うからです。

後藤 彩美

Goto Ayami

高校時代よりブライダルに興味をもち、大学とブライダル専門学校のダブルスクール+結婚式場のアルバイトで経験を積む。卒業後、アルバイト先のブライダル会社に就職するも、「お客様のことを一番に考える真摯な姿勢」に感銘を受けて2012年、バリューマネジメント社に中途入社。京阪神の会場を幅広く経験し、現在は神戸迎賓館のチーフプランナーとして活躍中。目標は「結婚式だけでなく、その後の人生にも寄り添えるプランナーになること」
バリューマネジメントグループ